夫婦仲に問題が起こると、思い浮かんだり考えたりするのが“別居”です。
別居と一口に言っても様々で、離婚前提で別居する人もいれば、夫婦仲を修復するために別居をする人もいます。
ただ一つ言えることは離婚を成立させるための手段としてとても有効だということです。別居というものについて、なぜ離婚成立するために有効に働くのか、別居したときのあれこれについてみていきましょう。
目次
すぐに出て行かない!まずは別居について考える
別居を安易な気持ちですると、大変なことになります。パートナーと喧嘩した勢いで家出してしまうなんて言語道断です。子どものこと、お金のこと、住む場所のことなど、前もって考える必要があります。
後先考えずに飛び出しても、住む場所がなかったら大変ですし、子どもがいる場合更に大変です。前もってきちんと確保をしておきましょう。
別居する理由をはっきりとさせること
なぜ別居するのか、パートナーとどうなりたいのかハッキリさせておきましょう。そうでなければいつまでも微妙な関係になり、何も進まなくなってしまいます。
離婚するための別居であれば、将来を見据えて行動しないといけません。
確実な浮気の証拠を集めてから別居すること
浮気の証拠がない状態で別居をしても、貰えるお金が貰えなくなったり、場合によっては旦那から”悪意の破棄”とされてしまっては絶対にいけません。
自分が不利な状態になることだけは絶対に避けましょう。離婚する時に、慰謝料請求や子どもの親権や養育費など確保するためには大切なことです。
参考探偵事務所があなたを救う!離婚するとき、確実に慰謝料を請求する
別居する前の注意点
すでに伝えてはいますが、離婚の意思が固まっている人にとって別居は有効な選択肢です。しかし、別居に踏み切る時には注意しなくてはいけない事がいくつかあります。
強引に家を出ていかない(DVの場合は除く)
夫婦には、同居義務、扶養義務、協力義務があります。正当な理由がないまま、強引に子供を連れて勝手に家を出ていくと、同居義務に違反します。
法律上の離婚原因である”悪意の破棄”になる可能性がありますので、もしそうなった場合、慰謝料の請求をされてしまいます。そうならないためにも、夫婦で話し合いをしましょう。
話し合いをしてダメだった場合は、手紙を置いて出ていくなど”悪意の破棄”と診断されないための対策をしておきましょう。
子供がいる場合は連れて出る
子どものいる夫婦の場合、離婚時に親権の問題が発生します。離婚時に親権を持ちたいのであれば子供を連れて家を出ましょう。
また、可愛がっているペットがいるのであれば連れて出ることをおすすめします。
婚姻費用を請求する
婚姻期間中、夫婦は同等レベルの生活をすることが義務付けられています。片方が貧しく、もう片方が金銭的に余裕があるなんてことはあってはならないのです。
別居と言えども、婚姻期間であることは変わりありません。ですので、今まで同様の生活をさせる義務が生じます。これを”婚姻費用”と言い、離婚が成立するまでの間、養育費と生活費をもらうことができます。
婚姻費用の額は算定表に基づいて算出します。基本的には収入の多い方が少ない方に渡すことになりますね。(偏りをなくすことが目的)
これだけは忘れないで!別居する前に持っていくべきもの
別居する時には必ず持って行って欲しいものがあります。
- 健康保険証
- 運転免許証
- 実印、認印
- キャッシュカード
- 年金手帳(自分の)
- 子供の物(写真や、おもちゃ、母子手帳など)
必要なものを持っていかず出て行ってしまうと、あとから戻らないといけない状況になりかねません。しかし、出て行った手前戻りにくくなっているはずです。
あとで戻らなくてもいいように、必要最低限の物を持って行きましょう。別居中に色々な手続きなど行う際、すごく助かります。
別居のメリットとデメリットを知ること
旦那に対して色んな理由や思いがあり、離婚を考え辛い思いをしてる方が多いと思います。子供のことや、仕事のこと、お金のことなどを考えると精神的にまいってしまいますよね。
意味のない別居はいけませんが、離婚前提で決意した方なら前を向いて進むしかありません。進むためにもまずは、離婚前提で別居をするときの、メリットとデメリットを紹介しますので参考にしてみてください。
別居のメリット
離婚前提での別居はメリットがたくさんあります。どんなメリットがあるのか見ていきましょう。
ストレスが軽減される
別居中は相手に会うことがないので、顔を会わせたくない人にとってはかなり気持ちが楽になります。
パートナーと一緒にいてストレスがあった人は、このストレスから解放されます。
自分の気持ちを見つめなおすことができる
別居することで普段何気なくしていたことや、してもらっていたことに気づけたり、パートナーに対しての気持ちなども再確認できます。
また、このまま自分一人で子供たちと自分で生活できるかなど、確信や自信を持つことができるようになります。
別居で離婚がしやすくなる
別居年数が長ければ長いほど、実は離婚が認められる可能性が高くなります。
一般的な目安として5年くらい別居をすれば、夫婦関係が破綻していると判断されるので離婚がしやすくなるのです。
また確実な浮気の証拠を持っていれば、スムーズに離婚話が進みます。
ただし浮気の証拠はプロの探偵ではないと危険です。逆に訴えられてしまう可能性があるのと、自分で集めた証拠は浮気の証拠としてならない可能性があります。
そうならないためにもまずは知識と、無料相談を行ってくれている探偵事務所に相談をしてみましょう。
参考浮気調査におすすめの探偵事務所ランキング【2020年版】
別居中は婚姻費用が貰える
別居中は相手から婚姻費用をもらうことができます。これは子供の養育費と生活費の2つの意味をを指します。
離婚をすると養育費だけになりますが、別居中は子どもの養育費と生活費の両方がもらえる事になります。
この婚姻費用を支払う方が金額的に大きく、旦那は支払いたくないと思っている人が多いです。なので離婚の話が早く進む可能性も出てきます。
また別居期間が長くなれば、離婚もしやすくなるので一石二鳥です。
婚姻費用の存在を知らないという人も多いようですが、忘れずに請求しないと損をしますので、別居する際は必ず婚姻費用の手続きをしましょう。
別居のデメリット
別居中のデメリットもありますが、子供がいる方は特に大変かもしれません。次にデメリットを見ていきましょう。
金銭的に余裕がないと生活は厳しい
実家に帰って生活ができる人もいれば、アパートを借りないと生活ができない人もいます。また家電製品がない場合は買わないといけません。
理由があり、実家に帰れない人がいる場合は、住む場所を確保するためにお金がかかります。
また、専業主婦の方は仕事を見つけないといけません。特に子どもがいる方は、その分生活費もかかります。
早めに”婚姻費用”の手続きをしましょう。
子供のケアができるか
今まで住んでた環境が急に変わり、戸惑ってしまい混乱するのは子供です。通っている学校や保育園(幼稚園)などについても考えないといけません。
また、親のどちらかがいないことで子供は不安がります。子供の年齢にもよりますが、きちんと心のケアをしないといけません。
そして、なによりも「育てられる」という自信が大切です。
別居をしても、きちんと子どもの事を考えられる方ではないと子供が辛い思いをしてしまいます。安易な気持ちでの別居は絶対に辞めましょう。
別居するために必要な知識
全く知識がないのと、知識が少しでもあるのでは全然違ってきます。
少しでも離婚が円滑になるよう、別居時に問題が発生しないよう、知識をつけましょう。
別居したら住所変更をする
別居後すぐに住所変更を行いましょう。自分宛の郵便物が別居前の住所に届くと面倒です。また、場合によっては保育料が下がることもあります。
住民票を移すことで、裁判所から既に離婚が成立しているのと同様の扱いをしてもらえることがあります。協議離婚中や調停離婚中は時間がかかる場合もあるので、離婚後の手続きの負担も軽くできます。
子供を連れて家を出る場合、新しい住所の学校に子供を通わせなければなりません。住民票が移っていなければ、公立の小中学校では、原則として転校が認められないので注意をしましょう。
一定期間別居していれば、家賃の安い公営住宅(県営住宅・市営住宅など)の申し込みができる可能性もあります。近くの市役所へ問い合わせてみましょう。
児童手当の受給者変更も可能
自分の口座に直接振り込んでもらえることができます。パートナーの口座にお金が振り込まれないので安心です。
別居をする前、もしくは別居した後に必ず変更しておきましょう。こちらも市役所へいけば手続きができます。
別居後に住む場所を確保する
別居して最初の問題は住む場所です。もし実家に帰れるのであれば、自分の親と暮らすのが1番良いです。家族が1人でも多ければ、子供が淋しい思いをしなくてすみます。
パートナーがいない分、自分以外の大人と接することは子供にとっていいことだと思います。しかし、色んな事情で実家に帰れない人もいます。
そのときには、近くの市区町村役場に相談してください。住むことができる施設や住宅を紹介してもらえます。
ただし、相談してから入居できるまで時間がかかることが多いので、相談はなるべく早くしておきましょう。
別居後の仕事について
別居中、色々とお金がかかることがあります。子供が体調を崩して会社を休んだり、遅刻したり、早退したりと仕事に影響がでれば給料にも響きます。
今の仕事でも充分な子育てをすることができるのかを考え、できないのであれば、新しい仕事を見つける必要があります。
専業主婦の人で、仕事をしていない人も仕事を見つけないといけません。可能であれば、子供のことを理解してくれる会社を選びましょう。それが子供にとっても1番いい事です。
もし会社の方に話ができるのであれば、こういった状況を話しておくといいと思います。
保育園や学校に協力してもらう
自分が仕事をしている間に、パートナーが保育園(幼稚園)や学校に来て、子供が連れ去られてしまう可能性があります。
今離婚に向けて別居をしている事などを、保育園(幼稚園)や学校に相談しておきましょう。協力的な保育園(幼稚園)や学校であれば必ず協力をしてくれます。
送り迎えの書類などがありますので変更しておきましょう。
必ず婚姻費用を請求すること
婚姻費用を請求すれば、別居中も生活費が多少出ます。あるのとないのとでは全然違います。
貰えなかった期間も請求できますので、弁護士に依頼をし、しっかりと婚姻費用を貰いましょう。
別居するとどのくらいの年数で離婚が成立するのか
どのくらい別居していれば離婚が成立するのかについてですが、実は法律上基準というものが全く定められていないのです。
参考になるのが平成8年に出された法制審の「民法の一部を改正する法律案要綱」というものです。
裁判離婚の記事に離婚原因をかいたのですが、離婚するにはこの離婚原因が必要です。5つの離婚原因の中に「その他婚姻を継続し難い重大な理由」があります。
目安は5年!
5年間の別居が一つの目安になります。ただし、弁護士がいる場合はこの期間が短くなる可能性もあります。
3年程度の別居期間で離婚が認められる事もありますし、別居1年半なのに離婚が認められた事例(平成27年5月21日札幌家庭裁判所判決)もあるので離婚に強い弁護士さんに依頼をしましょう。
一般的に別居期間は長ければ長いほど良い
別居期間が長いということで「長い別居期間によってすでに夫婦関係は修復不可能」といった判断がされた裁判例があります。そして、離婚原因の1つ〝その他婚姻を継続し難い重大な理由″があるので離婚が成立しやすくなります。
別居への心構えを持ち、離婚への階段を上る
離婚したいという思いで、後先考えず別居をしてしまうのは本当によくありません。まずは第一に子供のことを考え、別居しても子供が元気にすくすくと育てられるのか、具体的に考えておくことが大事です。
別居をする前に一度相談することをおすすめします。
1人で悩んで抱え込まず、信頼できる友人や家族に協力をしてもらいましょう。子供は親の背中をみて育ちます。パートナーがいなくても毎日笑って過ごせるように、自分を信じて前を向いていきましょう。
また、分からないことをそのままにせず、不安なことをため込まないでまずは、別居前に無料でできる相談を探偵事務所へしてみることをおすすめします。
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