子どものいる夫婦が離婚をする場合、面会交流は避けたくても避けることができない問題になります。離婚後、親権をどちらが持つのかでも立場は大きく変わってきますが、子どもとの面会交流で対立してしまう夫婦は少なくありません。

しかし、自分の気持ちだけを通そうとするのはよくありません。それをきっかけに子供に負担をかけてしまう、なんて事は決してあってはならないことです。

この記事では、内容を理解しやすいよう監護権者のことを親権者と記載します。面会交流は子供のためにあるものなので、子供の気持ちを1番に優先し、考えましょう。

参考親権と監護権の違い

非親権者が注意すべき点

正当に拒否をしていない場合を除き、非親権者が子供と親権者にしてはいけない注意点が4つあります。1つずつ見ていきましょう。

①親権者の悪口を言わない

これは当然の事です。

離れて暮らしてる子供は、精神的・気持ち的に不安定になっています。大好きな親から、大好きな親の悪口を聞きたくはありません。子供に辛い思いをさせるのは辞めましょう。

②養育費や婚姻費用は必ず支払う

養育費を支払うのは、親の義務です。面会できなかったから、養育費を支払わないなんてことは認められません。

養育費は子どもが生活する上で必要な額を支払うことになっています。面会交流できない腹いせが、子どもに向くのはおかしなことです。親として最低限の責任です。

③面会の時間を必ず守る

待ち合わせ時間、送る時間を必ず守りましょう。

一緒にいたい気持ちもわかりますが、親権者からの信用をなくすことになります。面会交流で決められた時間は、しっかりと守りましょう。

④必要がないのに物を買い与える

理由はどうであれ、不必要に物を買い与えることはよくありません。

親権者と子供には生活スタイルがあります。その生活スタイルを乱すような事は辞めましょう。この時に親権者がいない前で、子供と口約束をすることもダメです。

買ってあげたい気持ちもわかりますが、事前に親権者と連絡をとりましょう。身勝手な行動は、親権者に対しても信用をなくされてトラブルの元になってしまいます。

また、子供の健全な成長という面からは、子供に過剰なプレゼントをすることなども控えるべきです。

親権者が注意すべき点

非親権者に続き、親権者にも注意すべき点はもちろんあります。同じく4つあるので、一つずつ見ていきましょう。

①非親権者の悪口は言わない

これは親権者も、非親権者も当然です。
(内容は非親権者の時と同じです)

②面会の時間は必ず守る

待ち合わせ時間、迎えに行く時間を必ず守りましょう。非親権者も子供も、月1回くらいしか面会交流ができません。とても貴重な時間です。

遅刻してしまうと、子供が楽しみにしている時間が短くなってしまい、子供に迷惑かけることになります。遅刻となれば非親権者から信用をなくされ、トラブルの元になってしまいますので必ず時間は守りましょう。

③決まっている面会交流日は必ず会わせる事

子供が正当に拒否をしていない場合ですが、正当な理由がないのに面会を拒否することはないようにしましょう。

子供に会わせたくない気持ちがあるかもしれません。しかし、それは親権者の感情の問題であって、面会を拒否する正当な理由にはなりません。

非親権者と会いたいと思う子供の気持ちは、絶対に優先しましょう。

④子供の話をいっぱい聞くこと

面会交流が終わって家に帰ってきたら、

  • 「今日は楽しかった?」
  • 「どこ遊びに行ってきたの?」

といっぱい子供の話を聞きましょう。
子供はすごく安心します。しっかりと話を聞いてあげてください。

子どものためだと言う事が大切

  • 「養育費を支払ってもらう代わりに子供に会わせる」
  • 「養育費を支払ってるんだから子供に会う」

という考え方ではなく、子供の成長にとって何が1番いいのかをしっかり考えないといけません。

親権者と非親権者はきちんと子供のために、するべき事、しないといけない事をしっかりと決め、お互い約束を必ず守りましょう。

また、子供の年齢が高くなっていくと「子供の意思」が尊重されます。何歳から意思が認められるかは子供によりますが、10歳が一つの基準となるでしょう。

面会交流を正当に拒否できるケース

非親権者が子供の面会をする上で、以下のような状況の場合、面会交流を拒否できる可能性があります。逆に、非親権者は拒否される可能性があることを指します。

子供が非親権者に会うのを嫌がっている場合

およそ10歳くらいから子供の意思が最大限尊重されるようになります。子供が自分の意思で、面会交流を望んでいないと主張した場合は、面会交流を無理やりする必要はありません。

子供は親権者の元で育てられているので、親権者の影響を受けやすいと思います。なので親権者は、子供に非親権者の事を悪く言ったりしてはいけないのです。

また親権者が再婚をした場合、新しいお父さん(お母さん)と上手く生活ができ、非親権者と会うことは子供にとってよいのか、悪いのかもしっかり子供の気持ちを聞いて尊重しましょう。

非親権者に問題(薬物・DV・精神的に不安定)があり、子供の悪影響が心配される場合

子供が非親権者の暴力に対してトラウマがあったり、私生活ができないくらい精神的に不安定になっていたりしている場合は面会交流が制限されます。

薬物疑いがあったり、子供を連れ去られるおそれがある場合、面会交流は認められません。子どもに精神的マイナスの影響がある場合は、面会交流が認められなくなります。

面会交流が原因で子どもがストレスを感じるようなことがないよう、また精神状態が悪化しないようにしましょう。

面会交流で決めておきたい内容

面会交流のスタイルは、子供の状況によってさまざまです。子供の気持ちや年齢をきちんと配慮しながら、しっかりと決めるようにしましょう。

面会交流の頻度

月に何回面会交流をするのか、日にちや曜日もしっかりと決めましょう。決めておくとお互いに予定も立てやすく、子供にとっても決まった日にちや、曜日はわかりやすくていいと思います。

面会交流の場所

場所も事前に決めておきましょう。どちらかの家に迎えに行くのか、送るのか、公園などの公共の場でするのか、しっかり決めましょう。

連絡方法

直接子供と非親権者が連絡をとるのか、連絡は親権者ととるのか、こちらもしっかりと決めておきましょう。決め事に反して勝手に子どもと連絡を取るなど、親権者からの信用を無くすような行動は決してしてはいけません。

学校(保育園・幼稚園)行事の参加

運動会、卒業式、入学式、などの学校行事は必ずあります。こちらも子供の年齢や気持ちによってさまざまです。子供がどう思ってるのか、しっかりと聞きましょう。

細かいと思うと思いますが、とっても重要なことです。子供の状況に合わせて話し合いをし、しっかりとルールを決めましょう。

決め事は書類にまとめる事が賢い!

面会交流に限らずですが、話し合いで決まったことは離婚協議書、調停調書、公正証書などの書類にしっかりと記入しておきましょう。

「そんな書類、よくわからない」という方は専門家の弁護士に依頼することをおすすめします。間違いないものを作成してくれるので、後々安心です。

お互いに後で揉め事にならないようにするためでもありますので、弁護士を立てることをオススメします。

面会交流の決め事が話し合いで決まらない場合

夫婦の話し合いで決着がつかなくなった場合は家庭裁判所に行き、面会交流の調停を申立てることになります。

そして調停でも話がまとまらない場合は裁判に移行し、裁判官が面会交流の内容を判断し決定されます。

面会交流調停の流れ

基本的に離婚調停と同様です。

  1. 裁判所への申立てをする
  2. 面会交流の調停期日の連絡が来る
  3. 調停で話し合いを行う
  4. 不成立の場合は、審判で判断する

親権者が面会交流を拒否した場合

話し合いもしくは調停などでで取り決めをしたのに、親権者によっては面会交流を拒否する場合があります。「離婚したのにどうして会わせないといけないの?会わせたくないんだけど。」って思っている人がいでもおかしくはないですよね。

しかし、このようなことは決してあってはいけません。

これは親権者の感情であって子供には関係ありません。不当に面会を拒否された側はびっくりしてしまいます。面会交流は親権者のためのものではありません。

とはいえ、されてしまったものは仕方ありません。対策する方法がありますので説明していきます。

履行勧告を行う

まずは裁判所に履行勧告をしてもらい、それでもダメなら間接強制、または損害賠償請求という流れを把握しておきましょう。

損害賠償の請求

子供が親と会い、愛情を注がれることは、子供の健全な成長に必ず必要です。正当な理由がない面会拒絶は、慰謝料請求の対象になります。

面会を1度でも拒むと、裁判所から親権者へ罰金を支払うよう命令が出ます。これは面会の拒否をする度に行われます。差し押さえが適応されるため、親権者が受け取っている給料や預貯金を一方的に差し押さえることも可能となります。

判例時報1713号

静岡地裁浜松支部平成11年12月21日判決

夫は妻に対して、子供との面接交渉を妻が拒絶したことは違法であるとして500万円の損害賠償を請求したと言う事例があります。
この判決は有名で、高額な例です。
慰謝料が認められるためには、面会交流を認める調停調書や審判があるにも拘わらず、面会交流の趣旨を理解せず子の福祉を無視した身勝手な動機が原因です。

ここでも注意してほしいのが、相手が悪い、会わせてくれないといって非親権親が手続きや順序を踏まず、無理やり会おうとすると、違法とされ逆に子供と会う権利を失ってしまい危険です。焦らず、落ち着いて行動をしましょう。

強制執行を申立てる

裁判所で調停や審判で決定した内容に違反した場合、裁判所に強制執行を申立て、財産の差し押さえなどを行なってもらいましょう。

面会交流をするうえで心しておきたいこと

子供に大人の事情は理解できません。

夫婦の心がお互い離れていても、お互い許せない事情があっても、子供にとっては大切なお父さんとお母さんです。離婚によって、子供と別々に暮らすことになっても、実の親であることは何の変わりもありません。

ずっと子供の成長を見守っているよ、と気持ちが伝わるような対応を常に心がけてあげてください。

そして大事な子供のためにも、お互い感情的にならず、ルールをしっかりと守り、子供のために面会交流というものをしっかりと理解していただければ幸いです。